タンザニア・ンゴロンゴロ アガワルファミリー

副交感神経が開く感じのする安らぎとうまみの一杯。ほうじ茶のような芳香。

「タンザニア ンゴロンゴロ アガワルファミリー」は、タンザニア北部のアルーシャ州カラトゥ近郊、世界遺産・ンゴロンゴロ自然保護区の外縁部で育つ高品質コーヒーです。標高1,600〜1,700mの高地に位置し、火山性の肥沃な土壌と昼夜の寒暖差に恵まれた環境が、豊かな香味を生み出しています。

この地域ではウォッシュド（洗浄）精製が主流で、透明感のあるクリーンな味わいが特徴です。生産を手がけるアガワルファミリーは、地域で長年コーヒー栽培を続けてきた家族経営の農園。丁寧な管理と伝統的な製法によって、安定した品質を維持しています。

使用される品種は「ケント」「ブルボン」「SL39」。いずれも高地栽培に適した品種で、しっかりとしたボディと複雑な香りをもたらします。カップを口に含むと、ミルクチョコレートのようなやさしい甘みが広がり、後味には紅茶を思わせる上品な余韻が残ります。酸味は控えめで、コクとのバランスが絶妙。ホットでもアイスでも楽しめる、万能な味わいです。

このコーヒーが注目される理由は、何よりもその安定した品質と香りの豊かさにあります。火山土壌と高地気候という好条件に加え、ファミリー経営ならではのトレーサビリティ（生産履歴の透明性）も魅力。安心して味わえるスペシャルティコーヒーとして、多くのロースターから支持を集めています。

おすすめの焙煎度は中煎り〜中深煎り。香りと甘み、コクのバランスが際立ちます。抽出はペーパードリップ、フレンチプレス、アイスブリューのいずれでも美味しく淹れられます。香りを楽しみたい方は、ホットで抽出して少し冷ました“温度変化”を味わうのもおすすめです。

保存の際は、できるだけ豆のまま購入し、飲む直前に挽くことでフレッシュな香りを楽しめます。ペアリングにはミルクや軽い甘みがぴったり。アイスカフェオレにしても香りの輪郭が失われず、後味まで心地よく広がります。

高地の自然が育てた香り、家族の手で守られた品質、そして飲みやすくも奥行きのある味わい。ンゴロンゴロ アガワルファミリーのコーヒーは、日常の一杯を特別な時間に変えてくれる、そんな魅力にあふれた豆です。スペシャルティコーヒーを初めて試す方にも、自信をもっておすすめできる一品です。