ウガンダ ルヴェンゾリ ドンキーウォッシュ

すっきりとした、しつこさを感じさせない苦味。
苦味は欲しいけれど、従来にありがちな『ザ・コーヒー』とはまた違う苦味を楽しまれたい方に。

ウガンダ西部のルウェンゾリ山脈は「月の山（Mountains of the Moon）」と呼ばれる美しい山岳地帯で、標高1,400〜1,900mの高地に広がる肥沃な土地です。この地域にあるルウェンゾリでは、もともとロブスタ種が中心でしたが、近年はアラビカ種（SL14やSL28など）の生産が進み、スペシャルティコーヒーとして高い注目を集めています。

「ドンキーウォッシュ」というユニークな名前は、険しい山道で収穫したコーヒーチェリーをロバ（ドンキー）で運搬するという伝統的な方法に由来します。トラックが入れない山岳地帯ならではの手作業が、地域の文化と自然との共生を象徴しています。

このコーヒーは、完熟したチェリーを手摘みし、ウォッシュド（水洗式）精製で丁寧に処理されます。果肉除去後に24〜48時間発酵させ、清流水で洗浄。アフリカンベッドで5〜10日間かけて天日乾燥します。標高が高く、気温差の大きい環境が、クリーンでバランスの取れた風味を生み出します。

地域では小規模農家が多く、収穫した豆を共同のウォッシングステーションで精製。トレーサビリティやフェアトレードなど、持続可能な取り組みも進んでおり、品質と倫理性の両立が評価されています。

ルウェンゾリ・ドンキーウォッシュは、明るくフルーティーな酸味とまろやかな甘みが特徴。レッドアップルやカシス、ドライチェリー、キャラメルのような香味が感じられます。

浅煎りでは果実のような華やかさが引き立ち、中煎りではキャラメルやカカオのようなコクが生まれます。クリーンな口当たりで、ハンドドリップやフレンチプレス、アイスコーヒーにも好適。ブレンドのベースとしても活躍します。

「ドンキーウォッシュ」という名は、単なる製法の説明にとどまらず、地域の人々の努力と誇りを象徴しています。険しい山道をロバで運ぶ光景は、手間と愛情をかけて育てられたコーヒーの証。こうしたストーリーが、世界のコーヒー愛好家の心をつかんでいます。

ウガンダ・ルウェンゾリ・ドンキーウォッシュは、

1. 高地と火山性土壌による豊かな風味、
2. 丁寧なウォッシュド精製がもたらすクリーンな味わい、
3. “ロバによる運搬”に象徴される地域文化、
   この三つが融合したストーリー性のある一杯です。

派手さではなく、素朴で丁寧な味わいを求める人にぴったりのコーヒー。フルーティーな酸味とエシカルな背景を楽しめる、まさに“アフリカの秘宝”と呼ぶにふさわしい逸品です。